勝ちゃん
―沖縄の戦後

2024年/日本/98分

監督藤本幸久、影山あさ子

艦砲かんぽうぬ喰ぇーぬくぇー残さーぬくさー(艦砲射撃の喰い残し) 勝ちゃん、こと山城善勝さんは、沖縄本島北部、国頭村の漁師です。『一人追込み漁』を編み出し、数百キロのグルクン(タカサゴ)の群れをたった一人で捕る、世界でただ一人の人です。 勝ちゃんは、1944年10月4日生まれ。生まれて6日後が、沖縄戦の最初の大規模空襲、10・10空襲でした。逃げ込んだガマで日本兵に『子供を黙らせろ(殺せ)』と言われた勝ちゃんの両親は、勝ちゃんを抱いてガマを出て米軍の捕虜となり、生き延びました。 沖縄戦を生き延びた人たちのことを沖縄では「艦砲ぬ喰ぇー残さー(かんぽうぬくぇーぬくさー) 」と言います。「艦砲射撃の喰い残し」と言う意味です。勝ちゃんもその一人です。 戦後、焼け野原となった沖縄で、人々は自らの力で生き延びるしかありませんでした。陸のものは全て焼かれ、土地も畑も、米軍基地にとられていました。食べるものは海の物しかありません。漁師、勝ちゃんの原点です。 米兵相手のタクシー運転手、米軍基地の物資を盗み出す「戦果アギヤー」などもしながら生きてきた勝ちゃんの半生は、沖縄の庶民の戦後そのものです。 米軍の占領下の沖縄では、6歳の少女が米兵に殺された由美子ちゃん事件(1955年)、宮森小学校米軍機墜落事故(1959年)、コザ暴動(1970年)、辺野古新基地建設(2004年~)など、さまざまな事件、事故が起きます。それらは全て、勝ちゃん自身の体験でもありました。 作品は、勝ちゃんの人生と重ね合わせて、戦後の沖縄を描きます。そして、どんな時代も勝ちゃんの人生を支えてきたのは、沖縄の海でした。優れた漁師の本気の世界。「海」そのものもまた、この作品の主人公と言えるでしょう。

7/20(土) 特別先行有料試写会
日時:7/20(土) 14:00〜
山城善勝さん来場・三線ミニライブ付き

料金:2,000円(各種割引適用なし、招待券等利用不可)
※チケットは通常通り1週間前から販売開始致します
上映は終了しました
WEBチケットについて

上映スケジュール
2024年
10/26(土)~
時間未定