2024年/日本/101分
監督伊勢朋矢
出演西村一成、西村純子、ちくら ほか
音楽ロケット・マツ(パスカルズ)
画家・西村一成 一年の記録 初めて会ったとき、一成さんは「午前中なら調子がいいから、大丈夫かもしれない」と言った。夕方は苦手らしい。不安になるという。だから最初は「午前中の1時間くらいだけ撮影してみましょうか。無理して絵を描かなくてもいいですよ」そんな約束をして別れた。 撮影最初の日、一成さんは絵を描かなかった。ただただお互いの好きな音楽の話をした。僕(伊勢朋矢)も音楽は好きだが、一成さんはさらにマニアックだった。その日は気に入ったCDを1枚借りて帰った。帰りがけ、一成さんが「次はいつ来るの?」と言ってくれたことがうれしかった。2週間後にまた来る約束をして、その日は帰った。 2週間後。朝カメラを持って訪ねると、一成さんは縁側でタバコを吸っていた。猫のちくらは、一成さんの側でじっとしながら「なんだコイツ」と、僕の方を見ている。一成さんは ふぅーっとタバコの煙を吐くと立ち上がり、耳栓をしてから、巨大なキャンバスの前に立つ。長い間黙って何かを見つめている。「何が起きるのだろうか?」僕がカメラを手に緊張していると、突如、一成さんが絵筆を握り立ち上がる。「うぅー」と唸り声を上げながら、アクリル絵の具をたっぷりとつけた筆をキャンバスに叩きつける。目の前になんだかわからない模様が現れた。唸り声とともに、何度も何度も繰り返し絵筆を振るう姿を夢中になって撮影していると......いつのまにかキャンバスには「顔」のようなものが浮かびあがり、その目はじっとこっちを見つめていた。一成さんが家族以外に創作の現場を見せたのは、この日が初めてだったという。 あれから1年、僕は西村家に通い続けた。午前中1時間だけの撮影は、2時間3時間...と伸びていき、2泊3日で撮影したこともあった。カメラはただただ回り続け、西村一成の日常は1本の映画になった。映画のタイトルは甥っ子がつけた一成さんのあだ名にした。
西村 一成 Issei Nishimura 1978年生まれ、愛知県在住。西村一成は甥っ子や姪っ子から「かいじゅう」と呼ばれている。独学で絵を描き始めたのは20歳の頃。自宅でときに唸り声をあげながら、キャンバスに絵の具を塗りたくり、独白記ごとく日々絵を描く。シェル美術賞、FACE損保ジャパン日本興亜美術賞ほか多数入賞・入選。
2024年 11/2(土)~4(月祝) |
14:20(~16:06) |
11/5(火)~8(金) | 14:40(~16:26) |
11/9(土)・10(日) | 11:00(~12:46) |
11/11(月)~14(木) | 11:50(~13:36) |
※11/14(木)で終了 |
一般 | 1,900円 |
シニア | 1,300円 |
学生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,100円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |